三杯酢がないとき、家にある調味料で代用するための調合ヒント

お酢を知ろう

さまざまな調味料を使って三杯酢を再現する実験の様子

三杯酢が手元にない時は、ご家庭にある他の調味料を使って代用します。この記事では、いろいろな調味料を組み合わせて三杯酢を再現する調合ヒントを紹介します。実際に、キュウリとちりめんじゃこの酢の物を作って比較もしています。

食酢でつくる三杯酢の基本

三杯酢とは、酢・しょうゆ・砂糖を混ぜ合わせてつくる合わせ調味料です。昔は、酢・しょうゆ・みりんを1:1:1で合わせていたため、三杯酢とよばれました。しかし、みりんを使うと加熱する必要があるため、現代では、手間のかからない砂糖を使うのが主流となっています。

もし、三杯酢の専用商品が手元にない場合でも、食酢があれば自分で簡単につくることができます。食酢は、どんなものでもOKです。米酢、穀物酢、黒酢、りんご酢、ワインビネガーなど、好きなお酢を使いましょう。調合の割合はいろいろありますが、砂糖の場合、酢:しょうゆ:砂糖=3:1:1が基本です。

・しょうゆ 大さじ1(約15ml)
・砂糖 大さじ1(約13g)
・酢 大さじ3(約45ml)

大さじスプーンだと作りすぎてしまいますので、小さじスプーンで計量すると良いでしょう。

酢を多めに入れても、しょうゆの存在を強く感じます。また、薄味に慣れている方にとってはしょっぱいと感じるかもしれません。酢の物の具材によっては、だし汁で薄めるとちょうど良くなると思います。

しょうゆも砂糖も、ご家庭にあるお好きなものをお使いください。白砂糖ではなく、黒糖・てんさい糖、はちみつなどを使う方もいらっしゃいます。つまり、どんな組み合わせでも大丈夫です。ポイントは、お酢の酸味+しょうゆの塩味・うま味+砂糖の甘味のバランスをとることにあります。

お酢の種類によって味も香りも酸度も違います。基本の割合はありますが、お使いの調味料で合わせてみて、必ず味見をしてくださいね。自分にとって、バランスの良い味わいを見つけることが重要です。

ポン酢でつくる三杯酢

味付きポン酢は、かんきつ果汁・酢・しょうゆ・だし汁を混ぜ合わせた合わせ調味料です。一般的なポン酢の場合、さらに果糖やみりんなどの甘味成分を多く入れて、甘く仕上げています。つまり、かんきつ以外は、三杯酢とほとんど同じ原材料と考えられます。

しかし、ポン酢はしょうゆの代用としても使われているように、しょうゆの比率が高いです。そこで、酢、または水で薄めた後、砂糖を少しずつ加えて調合すると良いでしょう。

かんきつ感は最後まで残ります。カンキツ果汁のさわやかな酢の物となり、一般的な三杯酢とは違う味わいに仕上がります。

とば屋のポン酢の場合は、砂糖やみりん不使用なので、甘くないのが特徴です。出汁のうま味がしっかりしているので、壺之酢で少し薄めて砂糖を加えると、ちょうどよい三杯酢となります。

すし酢でつくる三杯酢

すし酢は、甘酢です。つまり、酢・砂糖・塩を混ぜ合わせて作る合わせ調味料です。しょうゆを使っていないので、シンプルにしょうゆを混ぜればOKです。ただし、塩分量が多いので、酢で薄めた方が健康のために良いです。

また、すし酢は意外と糖分が多く、甘いものです。追加で砂糖は加えない方が良いでしょう。

らっきょう酢でつくる三杯酢

らっきょう酢も、すし酢と同様、甘酢です。酢・砂糖・塩を混ぜ合わせて作る合わせ調味料となりますが、すし酢よりも酢の割合が多く、酸っぱいのが特徴です。しょうゆを混ぜると、比較的スッキリとした味わいの三杯酢となります。

個人的には一番酸っぱくて好みの味でした。

めんつゆでつくる三杯酢

そうめんやそばつゆとして大活躍のめんつゆですが、材料は出汁と醤油とみりんがベース。つまり、酢を追加すれば、三杯酢となります。

めんつゆは濃縮タイプとストレートタイプがある点に注意して、適宜、水で薄めてください。

かつお出汁、昆布出汁など、めんつゆのメイン出汁の存在を強すぎるくらい感じます。香りの時点で強いので、酢を多めに入れて薄めても良いかもしれません。

白だしでつくる三杯酢

めんつゆに並んで便利な調味料、白だし。白だしは、出汁に、薄口醤油やみりん、砂糖を加えてつくられたものです。名前に「だし」があるように、出汁のうま味・香りが強いです。酢で薄めることで三杯酢となります。味見をして、出汁や酸味の主張が強いようでしたら、水で薄めて砂糖を追加してください。

まとめ

酢が手元にない場合は、ポン酢、またはかんきつ果汁を代わりに使うと良いでしょう。酢があれば、三杯酢は混ぜるだけで作ることができます。しょうゆ、砂糖などから調合するのは怖いという方は、市販の合わせ調味料を酢で薄めることから始めていただくと良いでしょう。

いずれにせよ、大事なのは味見をすることです!自分だけの美味しいバランスを探してくださいね。

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中野 貴之

中野 貴之

酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目

「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。

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