甘くない飲むお酢には、有機酸の多い純米酢がおすすめ

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飲むお酢

飲むお酢は、今や人気の健康飲料の一つになりました。さまざまなメーカーから多様な商品が販売されていますね。お酢を飲むことで、血糖値の急上昇を防いだり、高い血圧をコントロールしたりなど、さまざまな健康効果が期待されています。

一方で、「市販の飲むお酢は甘すぎる」と感じる人も多くなっています。そこで、飲むお酢という健康習慣をより良いものにしていただけるよう、「甘くない飲むお酢」をテーマに、押すの選び方や飲みやすくする方法をご紹介します。

甘くない飲むお酢には、有機酸が多い純○○酢がおすすめ

食酢の主成分である酢酸は、他の有機酸が少しでも含まれて混ざりあうと、酢酸のツンとした酸味が和らぎます。そのため、飲むお酢には有機酸が多く含まれている純米酢、純玄米黒酢、純りんご酢などがおすすめです。

「純○○酢」という名称は、原材料がその○○のみである場合に限り表示することができるもので、原材料由来の有機酸が豊富に含まれています。これにより、酸味がまろやかになり、飲みやすさが向上します。

市販の飲むお酢が甘くなってしまう理由

お酢を飲むにあたって、なにより一番求められるのは「飲みやすさ」です。お酢を原液でそのまま飲むと、むせたり、ツンとしたり、胃に負担がかかったりします。酸味が強いので、ごくごく飲めるものではありません。

市販の食酢の酸度は4~6%、pHは1.8~3.8程度です。一般的に、食べ物をおいしいと感じるのはpH4〜6のとき、酸っぱいと感じるのはpHが3以下のときといわれています。飲みやすくするためには、酸味を薄めるか、他の味覚で酸味を抑制することになります。

酸味を抑える方法① 水や牛乳で薄める

食酢の酸味は、水や牛乳など酸味のない液体で薄めることで、酸っぱさを感じにくくなります。塩や砂糖を添加していない純米酢の場合、5倍以上に薄めるのが一般的です。また、きび酢やワインビネガーなどの酸度の高いお酢は、10~20倍に薄めるように記載している商品もあります。

酸度があまりにも高いと、口の中、喉、胃などを傷めてしまう可能性がありますが、薄めれば大丈夫。ただし、薄めることで飲む液体の総量が増えるのがデメリットです。

酸味を抑える方法② 甘味や塩味を加える

甘味や塩味と混ぜ合わせると、酸味が抑制されます。この味の抑制効果は、本当に日常的に使われています。たとえば、酸っぱいドライフルーツに砂糖をコーティングしたり(酸味+甘味)、酢の物用の合わせ酢に塩を追加して塩梅を調整したり(酸味+塩味)するのと同じ原理です。

飲むお酢の場合、砂糖などの甘味を使うことで、飲みやすさ・口あたりのよさを追求します。当店の飲むお酢『お酢蜜』も、純米酢とアカシアはちみつをブレンドして飲みやすく仕上げています。この飲みやすさから、継続しやすいというお声もいただいております。

つまり、健康食品として飲むお酢に一番求められるポイントは『飲みやすさ』ですが、飲みやすさのために『甘さ』を添加しなければならない点がトレードオフになっているのです。からだにいい酢を飲んでいるつもりが、気づかないうちに大量の糖分を摂取することになっていたというケースも少なくありません。

甘くない飲むお酢をベースに、飲みやすさを調整する

甘く仕上げた市販の飲むお酢ではなく、通常の食酢をベースに自分で飲みやすさを調整する方法をご紹介します。体のことを考えると、ただの食酢をベースに、水・お湯・無糖炭酸水・牛乳など、甘味・酸味のない液体で薄めるのがベストです。しかし、ある程度飲みやすさも欲しい。

そんな方には、有機酸がもともと多く含まれている純米酢、純玄米黒酢、純りんご酢などがおすすめです。「純○○酢」という名称の食酢は、原材料が○○のみである場合に限り表示することができます。これらは、原材料由来の有機酸が多いのが特徴です。お酢のツーンとした酸っぱさは、酢酸に由来します。酢酸は揮発性なので、鼻やのどを刺激して、ツーンとしたり、むせたりします。重要なのは、食酢の主成分である酢酸に、他の有機酸が少しでも含まれて混ざりあうと、酢酸の酸味がまるくなるということです。

りんごと飲むお酢

原材料ごとに含まれている有機酸の成分は異なります。だいたい、原材料から甘さを取り除いた風味だと考えるとイメージをつかみやすいと思います。例えば、純りんご酢は甘くないりんご味で、りんごらしい酸っぱさを感じます。りんごが好きな方は良いんですが、酸っぱい果物が好きでない方は、穀物系のお酢の方がおすすめですね。

ご自宅にあるお酢の成分表示ラベルを見てみてください。飲みやすい・使いやすいお酢は、砂糖や塩分が添加されているはずです。香料を使っているものもあると思います。

純○○酢には、糖分が含まれていません。どうしても酸っぱさが気になるときは、はちみつなどの自然な甘さを少しずつ加えて、甘さを調整しましょう。果汁100%ジュースや野菜ジュース、トマトジュースなど、程良く甘い飲み物で割れば、グッと飲みやすくなります。

「ツーンとする食酢」の酸味を和らげる方法

今ご家庭にあるのがツンとしたお酢でお困りの方もいらっしゃると思います。どうしても飲むお酢で消費したい場合は、ゆずやシークワーサーなどの柑橘果汁を追加すると飲みやすくなります。これは、柑橘果汁の有機酸(クエン酸やリンゴ酸)が入ることで、酢酸の酸味がまろやかになっているのです。

有機酸が豊富な純米酢 壺之酢を試してみて

原材料がJAS規格よりも多いものや、熟成期間が長いお酢は、有機酸の割合が多く、酸味がまろやかです。それぞれの醸造所ごとに、風味の違いはあるので、いろいろ試したうえで、お気に入りの酢を探していただければと思います。

とば屋酢店の看板商品『純米酢 壺之酢』は、JAS規格で決められている原料米の4倍ものお米を使用しています。お米由来の乳酸やクエン酸、コハク酸などが含まれていて、まろやかな酸味のある純米酢となっております。伝統的な静置発酵で数か月熟成した、風味豊かな米酢です。甘くない飲むお酢で健康習慣を続けたい方におすすめです。

中野 貴之

中野 貴之

酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目

「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。

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