飲むお酢の希釈の割合、美味しい酸っぱさの追求
お酢ドリンクを飲むときは、希釈していただく必要があります。商品によって、飲み方や薄め方に違いがあります。とば屋の商品の場合、以下の表にまとめました。
商品名 | 一日の目安量 | 希釈の割合 |
---|---|---|
純米酢 壺之酢 | 15cc | 水など、お好みで5倍以上に薄める |
飲む酢 お酢蜜・LPSお酢蜜 | 30cc | 4倍濃縮 (水など、お好みで4倍以上に薄める) |
百年のお酢蜜 | 30cc | 5倍濃縮 (水など、お好みで5倍以上に薄める) |
しそ酢 | 30cc | 4倍濃縮 (水など、お好みで4倍以上に薄める) |
梅の酢 | 30cc | 4倍濃縮 (水など、お好みで4倍以上に薄める) |
無塩無糖の純米酢の場合、5倍以上で薄めることを目安としておすすめしています。当店の商品ではありませんが、酸度の高いお酢(きび酢やワインビネガーなど)の場合、10~20倍に薄めるように記載している商品もあります。
お酢蜜やしそ酢などの飲む用の調味酢は、砂糖を混ぜたり、果物やしその水分で少しだけ薄まっているため、4倍以上に薄めることを目安としておすすめしています。また、ストレートで飲める商品は、飲みやすく希釈してありますので、そのままお楽しみいただけます。
なお、ポン酢やすし酢、三杯酢などの調味酢は、塩分が含まれているため飲用に使うのはお控えください。
なぜ薄める必要があるのか
お酢を原液で飲むと、口の中、喉、食道、胃などを傷めてしまう可能性があります。これは、食酢に含まれる酸が刺激となるからです。胃の粘膜はアルカリ性で、胃酸を中和することができます。しかし、胃が弱い体質の方や、ストレス・暴飲暴食・体調不良で、胃粘膜と胃酸のバランスが崩れてしまっている方は、食酢の酸によって胃に負担がかかることがあります。
また、喉や食道は、酸に対する耐性はありません。逆流性食道炎(胃から逆流した胃酸や食べ物が、食道の粘膜は傷つける病気)のように、強い酸の刺激を受けると、傷ついてしまう可能性があります。胃の保護という観点だけでなく、消化器官全体に負担をかけないように、適切に希釈して飲むことを推奨しています。
また、あまりにも酸味が強いものは単純に飲みにくいです。適度に薄めることで、飲みやすくもなりますし、美味しく、続けやすくなります。お酢の習慣を続けていくと、お酢の味に慣れてきます。ご自身のちょうど良い酸っぱさを探求していただければと思います。
お酢蜜の牛乳割り。希釈による違い
とば屋酢店の美味しい飲む酢、お酢蜜のおすすめの飲み方は牛乳割りです。4倍以上に薄めることをおすすめしていますが、薄める割合によって酸っぱさが大きく変わります。牛乳の場合、トロミ具合も変わりますので、以下を参考に、お好みの濃さを探してみていただければと思います。
①お酢蜜30cc+牛乳90cc(1:3、4倍希釈)= 120cc
もっともお酢の味を感じることができる濃さです。甘味よりも酸味が際立つため、酸味を感じたい・スッキリしたい方におすすめです。逆に、お酢が得意ではない方は、酸っぱさにビックリしてしまうかもしれません。
牛乳の分離が進み、粒が大きく、もったりしたテクスチャです。飲みごたえがあり、ずっしりと、コクのある味わいです。
②お酢蜜20cc+牛乳100cc(1:5、6倍希釈)= 120cc
酸味をほんのり感じる程度で、甘味と酸味のバランスが良い割合です。牛乳の分離もある程度ありますが、そこまで塊は大きくなく、程よいトロミ具合です。初めてお酢蜜牛乳を飲む方は、6倍希釈からスタートすると良いと思います。
③お酢蜜15cc+牛乳105cc(1:7、8倍希釈)= 120cc
お酢の酸味はあまり感じず、甘味の方が前に出ており、非常に飲みやすい割合です。酸味が苦手な方や、お子さまにおすすめです。牛乳の分離は、軽く混ぜる程度ではあまり進んでおらず、ぐいっと飲めます。さらっとしたテクスチャです。
朝一番に、酸味強めのお酢蜜牛乳を飲んで、シャキッとしたいという方は、①の濃いめの割合がおすすめです。逆に、お酢初心者の方や、酢があまり得意ではないという方には、③の甘味の方が強く出るサラサラタイプがおすすめです。
①お酢蜜 濃いめの牛乳割りは、氷を入れてみるのもオススメです。程よく溶けると少しテクスチャがかわるかもしれません。
今回は、牛乳を例にご紹介しました。もちろん、炭酸水やお湯割り、野菜ジュース割りなどでもお楽しみいただけます。
個人的には、③の割合で朝晩飲むのが、自分のリズムに合っていて好きです
希釈するタイプの飲むお酢は、自分で好きな飲み物と組み合わせられます。そして、ちょっとした割合の違いで、酸味や甘味、そして舌触り・テクスチャが大きく変わります。これが、お酢の面白いところでもあります。ぜひ、いろいろな配分を試して、お好みの美味しい酸っぱさを追求していただければと思います。
中野 貴之
酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目
「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。