ブルーベリー酢はアントシアニンたっぷり!自家製果実酢づくり
紫色が美しいブルーベリーは、果実酢づくりで人気の素材です。最近では、冷凍食品として一年中手軽に手に入るようになりましたが、夏(6~8月)が旬の国産ブルーベリーを使ってつくる自家製果実酢は一段と美味しいものです。暑さが増してくる時期だからこそ、ブルーベリー酢で健康的なお酢習慣を始めませんか?
ブルーベリーがもつ嬉しい抗酸化物質
まずは、ブルーベリーの栄養素をみてみましょう。日本食品標準成分表2023年版(八訂)より、生ブルーベリー100g(※写真参照)に含まれる主な栄養素をまとめました。
ブルーベリーに含まれる主な栄養素 | 100g中 |
---|---|
エネルギー | 201kcal |
糖質 | 9.6g |
ビタミンC | 9mg |
ビタミンE | 2.3mg |
食物繊維 | 3.3g |
ブルーベリーの最大の特徴は、抗酸化物質をたくさん含んでいるところにあります。
抗酸化物質
活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く物質のこと。ポリフェノール、カロテノイドなどの種類がある。(中略)活性酸素が大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。
抗酸化物質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ブルーベリーの特徴①ポリフェノールであるアントシアニンが豊富
ブルーベリーといえば、ポリフェノールであるアントシアニンが豊富なことで有名です。アントシアニンは、植物の花の多彩な色をつくり出している天然色素。アサガオやアジサイを思い浮かべてみてください。青や赤など色違いの花が咲くのもアントシアニンによるものです。
アントシアニンは、pHによって色調が変化します。酸性であれば、赤色味が強くなり、アルカリ性では紫色になります。pHが3程度のお酢に漬けると酸性条件となり、ブルーベリーを漬けた果実酢は鮮やかな紅紫色に染まります。
アントシアニンを含むポリフェノールは、様々な生理的機能が知られています。とくに、抗酸化物質として知られており、過剰にあると細胞傷害をもたらすと考えられている活性酸素を取り除いてくれます。
※参考:活性酸素と酸化ストレス | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ブルーベリーの特徴②抗酸化ビタミンであるビタミンEが豊富
栄養成分表に入っているビタミンC・ビタミンEは、抗酸化ビタミンとして知られています。抗酸化ビタミンは、過剰な活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつです。なかでもブルーベリーは、脂溶性のビタミンEが多く、体内の脂質の酸化を抑えてくれる効果も期待できます。
ブルーベリーの特徴③食物繊維が多く、腸内環境を整える
ブルーベリーは、一粒が小さく、皮を剝く必要がないため、果実をそのまま食べられるフルーツです。丸ごと食べることで、ブルーベリーに含まれる食物繊維をそのまま摂取することができます。
ブルーベリーの食物繊維量は果物の中でもトップクラス。食物繊維が多い身近なフルーツであるバナナと比べても、約3倍に相当する量が含まれています。食物繊維は、腸内細菌たちに利用され、腸内環境を整えてくれます。水溶性食物繊維はお酢に漬けると溶け出し、不溶性食物繊維は果肉に残ります。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。(中略)はたらきとして、便の体積を増やす材料となるとともに、大腸内の環境を改善する腸内細菌に利用され、これらの菌を増やすことが明らかとなっています。
食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ブルーベリー酢の魅力は、見映えの美しさと栄養の両立
抗酸化物質をたくさん含んでいるブルーベリー酢は、その栄養成分はもちろん、色鮮やかな紅紫色のドリンクである点が魅力です。漬けた翌日には、ブルーベリーから紅色がにじみ出てきます。
この紅色のドリンクを氷たっぷりのグラスに注ぎ、炭酸をシュワワワ。紅紫から透明へのグラデーションが美しい夏ドリンクが出来上がります。見映えがよく、おもてなしにピッタリで、気分が上がります。美しさ、美味しさ、そして、血糖値や血圧のコントロールなどの効果も期待できるお酢と一緒に摂取することで、健康に良いおしゃれドリンクを楽しむことができます!
ブルーベリー酢の作り方
材料
- ブルーベリー 約100g
- 壺之酢(純米酢) 300cc
- 氷砂糖(お好みで黒砂糖)100g
作り方
1. ブルーベリーを軽く水で洗い、キッチンペーパーで水気を取ります。
2. 容器をよく洗浄してください。
(熱湯消毒がお勧めです。)
3. 氷砂糖、ブルーベリー、壺之酢の順に入れます。
4. 軽くかき混ぜてください。
5. 常温で7日程度。氷砂糖が溶けたら出来上がりです。
(時々、容器をかき混ぜると氷砂糖が早く溶けます。)
飲みやすい!ブルーベリー酢のおすすめの飲み方
飲むときは、4倍以上に薄めてお召し上がりください。ブルーベリーの色鮮やかさを活かす飲み方がおすすめです。
炭酸割り
夏ドリンクといえばソーダ割り!もっとも見映えが良く、暑さを乗り切る力を与えてくれます。ブルーベリーの粒ごといれると映え感UPです。
牛乳割り(おすすめ!)
牛乳のたんぱく質成分が反応して、ドロッとしたテクスチャのラッシードリンクになります。ほんのり紫に色づいています。ブルーベリー味の飲むヨーグルトのような感じです。満腹感のある飲み物なので、朝食や軽食におすすめです。
ブルーベリー酢の漬けた後の果肉の使い道
ブルーベリー酢を漬けて1週間、果実酢としては完成します。この時点で、ブルーベリーを取り出しても良いですし、そのまま漬けっぱなしにしても問題ありません。取り出したブルーベリーは最後まで使い切ることで、ブルーベリーの食物繊維をすべて摂取できます。
取り出したブルーベリーはお酢がしっかり入り込んでいて非常に酸っぱいです。非常にプリプリとしていて、弾力があり、口の中で酸味が弾けるような印象です。この食感を活かしたい気持ちも沸きあがります。
酸っぱいのが苦手な方は、そのまま食べるよりも、塩味や甘味、うま味とのバランスを取るのがオススメです。乳製品とも相性が良いですが、酸味主体のヨーグルトよりも、まろやかなチーズ系との組み合わせが美味しいです。
レアチーズケーキタルトにブルーベリートッピング
冷やしたレアチーズケーキの上に、潰した酢漬けブルーベリーを広げます。ブルーベリージャムのような見た目です。レアチーズケーキフィリングからつくる時は、レモンの代わりに潰したブルーベリーをフィリングに混ぜ合わせても良いですね!
大人向けブルーベリードレッシング
取り出したブルーベリーを潰して、オリーブオイル・粒マスタードと混ぜます。味見をしながら塩を少しずつ混ぜていきます。甘さが足りないときは、はちみつを追加してみてください。レタスやズッキーニ、ミニトマトなどの夏野菜サラダと一緒にお召し上がりください。
中野 貴之
酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目
「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。
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