大注目の酢納豆で毎日健康朝ごはん
お酢と納豆は、日本人にとって非常に馴染み深い食品ですね。どちらも体に良いとされていることはよく知られていますが、最近では、「酢納豆」という組み合わせが注目を集めています。
納豆に、醤油や付属のタレの代わりに酢をかけるだけで完成する酢納豆は、お酢を毎日継続して摂取する習慣につなげやすいのが魅力です。なにより、簡単で素早くできるので、忙しい朝にもピッタリです!この記事では、酢納豆の魅力を、深堀りしていきます。
酢納豆とは?納豆に酢を入れるメリット
納豆は、大豆から作られる発酵食品です。大豆は「畑の肉」といわれるほど、良質なタンパク質を豊富に含んでいます。また、日本人が不足しがちなカルシウム・鉄分、そして食物繊維も多く含まれており、大豆の栄養成分を丸ごと摂取できることから、多くの方が毎日の食事に納豆を取り入れています。
実は、酢と納豆を組み合わせることで、納豆の持つ栄養素が体に吸収されやすくなります。
カルシウムの吸収促進
納豆に酢を入れることで、大豆のカルシウムの吸収率を向上させることができます。食酢の主成分である酢酸は、食品中のカルシウムを効率よく溶解させる働きがあります。また、動物試験では、カルシウムと酢酸を一緒に摂ることで、腸からのCa吸収が促進されるという結果が出ています。
この、食酢のカルシウム溶出機能は、魚や貝類にも効果があります。納豆に混ぜる食材として人気のもずく・じゃこなど、カルシウムを豊富に含む食材を加えることで、さらなる健康効果が期待できます。
鉄分の摂取
大豆には鉄分が豊富に含まれていますが、この鉄分は、非ヘム鉄とよばれ、肉や肴に含まれるヘム鉄に比べると、吸収効率があまり良くありません。しかし、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率を高めることができます。
酢自体にはビタミンCが含まれていませんが、納豆にポン酢を入れることで柑橘果汁由来のビタミンCを一緒に摂ることができます。(※参考:鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
酢と納豆は血圧コントロールによい組み合わせ
お酢の主成分である酢酸は、高めの血圧を下げる効果(血圧降下作用)があることが報告されています。(※1)具体的には、毎日大さじ1杯(約15ml)のお酢を10週間摂取することで、血圧が有意に低下するとの結果が出ています。
高血圧の予防には、なにより減塩が重要です。醤油の代わりに酢を使用することで、減塩することができます。また、納豆に多く含まれるカリウムには、体内の過剰なナトリウム(塩分)を排出してくれるため、血圧コントロールに役立ちます。
納豆もお酢も、腸内環境を整える発酵食品
納豆とお酢、両方とも発酵食品であり、腸内環境をサポートする効果が期待されます。一般的に、発酵というと、生きた菌の活動を思い浮かべる方が多いでしょう。納豆に含まれる納豆菌は、芽胞(がほう)という耐久性の高い状態にあるため、生きた状態で存在しています。
Q. 納豆にお酢をかけると納豆菌は死んでしまうのでしょうか?
A. 芽胞状態の納豆菌は、胃の強い酸性環境を通り抜けて腸にも達することができるくらい、高い耐酸性があります。そのため酢酸によって、納豆菌がすべて死滅することはないと考えられています。
納豆メーカーのタカノフーズさんによると、納豆菌の胞子は酸に強いといわれており、胃の中の強酸環境を通り腸にも達することが確認されているそうです。(※参考)
仮に、酢酸で一部の菌が死んでしまったとしても問題ありません。生きた菌だけでなく、死んでしまった菌の体を取り入れることも、私たちの体調を整えるのに役立つと考えられているからです。
腸内の免疫細胞を刺激するのは生きた乳酸菌だけでなく、乳酸菌の死骸も影響することが研究で明らかになりました。殺菌を重視する一般食品とは異なり、発酵食品にはたくさん生きた菌もいるし、中には死んでいる菌もいます。もちろん調理によって生きた菌は死ぬことが多いですが、それでもそれを体内に取り入れることで免疫が刺激され、体調を整えてくれるというのです。乳酸菌だけでなく酵母菌や納豆菌などの発酵菌すべてがそういう効果を持っているだろうと考えられています。
「発酵」の不思議:農林水産省:農林水産省
また、お酢に含まれている有機酸も、腸内環境の改善に役立ちます。
酢納豆の美味しい作り方
基本の酢納豆の作り方(酸味は少し感じる程度)
1. 納豆のパックを開けます。
2. お酢を大さじ1程度加えて、真っ白になるまでぐるぐるよく混ぜます。
3. お好みで、ネギやじゃこを加えます。完成!
お酢を納豆に入れると、ふわふわでボリュームが増し、納豆の臭いが抑えられるように感じます。よく混ぜるほど酸味がマイルドになります。
アレンジ:ポン酢しょうゆの酢納豆
酸味が苦手な方は、ポン酢しょうゆを小さじ1程度使うと良いでしょう。しょうゆの塩分が酢の酸味を抑えてくれるため、食べやすくなります。
とば屋のポン酢しょうゆは、ゆずとかぼすの果汁を使っています。柑橘果汁のビタミンCも一緒に摂ることができて、鉄分を摂取したい方におすすめです。
アレンジ:塩ポン酢の酢納豆
とば屋の塩ポン酢は、酢納豆にもおすすめです。塩ポン酢を大さじ1使い、よく混ぜましょう。爽やかな柑橘の香りと、塩分・酸味のバランスが絶妙で、暑い季節にぴったりの一品になります。やみつきになるという声もいただいている組み合わせです!
酢納豆を取り入れた栄養満点の朝ごはん献立
酢大豆は、手軽に準備できて栄養価が高いため、朝食に最適です。しかし、ビタミン量が少ないため、他の食材を組み合わせて栄養バランスを整えるとさらに効果的です。
ビタミンC豊富なトマトやフルーツをプラス
朝ごはんに酢納豆を取り入れるなら、ビタミンCが豊富なトマトやフルーツを添えるとよいでしょう。ミニトマトは、そのまま食卓に出せて便利です。時間がある日は、トマトを1cm角に切ってオリーブオイルをかけて混ぜると、和洋折衷な和え物サラダに変身します。
ネバネバ食材もずくやオクラを混ぜこんで
もずくやオクラ、山芋とろろ、モロヘイヤなどネバネバ食材は、納豆との相性抜群です。これらをたっぷり混ぜて丼ぶりにすると、朝だけでなく夜の食事としても十分満足できる一品になります。
時短のコツとして、オクラやとろろ、モロヘイヤを1食分ずつに分けて冷凍しておくと便利です。私は、離乳食に使っていたフリージング容器を使っています。
まとめ
お酢はなにより継続がポイントです。酢納豆を朝ごはんに取り入れることで、毎日のお酢摂取を手軽に続けられます。これまで納豆を食べていた方も、朝食を抜いてしまうことが多い方も、簡単に始められる酢納豆で、健康習慣をはじめてみませんか。
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中野 貴之
酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目
「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。
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