お酢が余った。お酢大量消費方法
お酢が体に良いと耳にして、お酢の大瓶を買ってみたものの、酢を使う習慣がもともとなく、大量に余ってしまってもったいない!!!
という方のために、大量に消費できる、余ったお酢の活用方法をご紹介します。
お酢は少し入れるだけで、味全体の印象が大きく変わってしまいます。そのため、実際にレシピに記載されている量をみると、多くても大さじ2程度(30ml)ではないかと思います。まったく消費が進んでいる感じがしませんよね。
コツコツ使っていただくのが健康のためにも一番良いのですが、一度でがっつり減らしたいという方のために、今回は一度に50㏄以上使える方法に限定して取り上げます。
青魚の酢炊き(おすすめ!)
魚をお酢で炊く「酢炊き」という料理をご存じでしょうか。お酢の力で、魚の骨のカルシウムが溶けだして、カルシウム摂取にも役立つ健康料理です。とくに、小魚である小アジやイワシ、イカナゴであれば、丸ごと食べられるのでおすすめ。定番のイワシの酢炊きのレシピであれば、お酢を100cc使います。
すぐに食べるよりも、煮汁ごと冷蔵庫に常備して数日置いてから食べるとしっとりして美味しいです。暑い時期にさっぱり食べられる酸味の効いた魚のおかずをどうぞお試しください。
果実酢・ハーブ酢など酢ドリンクづくりに使う
お酢をそのまま飲むのは大変なので、フルーツやハーブを使って甘味と風味を付けて、飲むお酢ドリンクにしましょう。バナナ酢やイチゴ酢、赤しそ酢が飲みやすくておすすめです。お酢の習慣があまりない方の場合、氷砂糖やはちみつを入れて、しっかり甘味を付けることをおすすめします。
果実酢づくりでは、一瓶あたり300ccくらいの食酢を使いますので、何種類か漬けるとあっという間に無くなります。炭酸割りや牛乳割りで飲み比べすると楽しいですよ。
酢たまねぎ・ピクルスづくりに使う
玉ねぎなどの野菜を酢漬けにします。果実酢やハーブ酢と同じように感じられるかもしれませんが、漬けたあとのお酢を利用するのではなく、漬けた野菜をおかずとして消費するのがメインです。お酢初心者の方は、酢に塩と砂糖を追加して甘酢にしてから漬けると食べやすくなります。
私が酢たまねぎを推奨する理由は、特にパンをよく食べる方に試していただきたいからです。何回でも紹介します。ぜひ、酢たまねぎとハム・スライスチーズでホットサンドをつくってください。サンドイッチでも良いですが、加熱するホットサンドの方が美味しいです。
私自身、パン×酢たまねぎにハマりすぎて、そのためだけに酢たまねぎを常備しているくらいです。もちろん、新ショウガの甘酢漬けやらっきょうの甘酢漬けもおすすめです。
酸味を活かしたスープ、酸辣湯を作る
酢を大胆に使うのであれば、酸味系スープを作りましょう!お酢はあらゆるスープの隠し味に使うことができますが、ここでは酢の酸味を全面に出した中華料理、酸辣湯(さんらーたん)をご紹介します。中国華南の湖南省発祥と知られる酸っぱ辛いスープです。湖南省は、辛さで有名な四川料理の四川省と、あっさりさっぱり系の広東省のちょうど間にあります。両地域の影響を受けているのではないかという、酸味と辛味のコラボレーションが特徴です。
酸辣湯のお酢に、酢たまねぎやらっきょう漬けの残った汁を使うのもおすすめです。漬け汁には栄養がたっぷり入っています。砂糖や塩を追加している場合はしっかり味見して調整してください。
スープを飲むのが大変という方は、日本で考案された、サンラータン麺に挑戦するのも良いでしょう。サンラータンに麺を入れたもので、最近ではインスタントカップ麺の形でコンビニでも売られています。
魚の酢洗いに使う
有機酸成分たっぷりの良いお酢でするのは、ちょっともったいない方法ですが、捨てるくらいなら、その前に魚の下ごしらえに使いましょう!酢洗いによって、魚の生臭さを抑えることができます。閉店間際の半額になったお刺身を買ってきたときなどにぜひ試していただきたいです。
魚を酢の中に1~2分くらい漬けておきます。酢で漬けることで、身が引き締まります。殺菌もできます。漬けた酢は捨ててくださいね。魚介の種類によって、酢との相性はあります。定番は、青魚のアジやサバ、貝類。小浜の小鯛ささ漬けで使われているレンコ鯛も酢との相性抜群です。軽く酢を染み込ませた魚は、そのまま食べたり、酢の物の具にしたり、お茶漬けやお吸い物の種にしていただけます。
お酢を使いこなせない…と諦めないで
お酢には、多くの健康効果や調味料としての面白さが詰まっています。しかし、お酢の酸味や香りから苦手意識を持ってしまう方も少なくありません。せっかく、お酢習慣に挑戦しようと一度思われたのですから、最大限、そのサポートをしたいと思っています。
余ったお酢があるのなら、いろいろなことに挑戦できます。「これで何を作ろうか?」というワクワクする気持ちを持って、日常の中で、お酢一滴から始めてみてください。
中野 貴之
酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目
「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。