いちご酢は甘くて美味しくて飲みやすい!いちご酢の効果

お酢を知ろう

イチゴ酢は甘くて美味しくて飲みやすい!

暑くなってきましたね!じめじめした梅雨を乗り切るために、フルーツ酢を仕込んでみませんか?果物の有効成分が溶け出したフルーツ酢は、香り豊かで飲みやすいと人気です。とば屋のブログでも、さまざまなフルーツ酢の作り方をご紹介しています。今回は、紅色鮮やかないちご酢について、その効果や栄養成分を詳しく取り上げたいと思います。

いちご酢の力を引き出すお酢の働き

まず、いちごの栄養素を見てみましょう!日本食品標準成分表2020年版(八訂)より、いちご100g(中サイズ約7粒程度)に含まれる主な栄養素をまとめました。

いちごに含まれる主な栄養素100g中
エネルギー31kcal
糖質※7.1g
カリウム170mg
ビタミンB10.03mg
ビタミンB20.02mg
ビタミンC62mg
ビタミンB60.04mg
食物繊維1.4g
※炭水化物から食物繊維を差し引いた量を、食品表示基準上の「糖質」として計算しています

バナナ酢の記事の時にも調べたので、バナナと比べてみると、糖質が低く、食物繊維が多いことが分かります。

いちごの特徴① 抗酸化物質のポリフェノール『アントシアニン』が豊富

いちごの最大の特徴は、鮮やかな赤色にあります。この赤色は、抗酸化物質であるポリフェノール『アントシアニン』によるものです。アントシアニンは、赤や紫、青色を呈する水溶性の色素成分で、近年では、抗酸化作用や視力を守る働きなどが期待されています。いちごは、アントシアニンの豊富な果物なのです。

抗酸化物質

活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く物質のこと。ポリフェノール、カロテノイドなどの種類がある。(中略)活性酸素が大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。

抗酸化物質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いちごの特徴② 抗酸化成分としても重要な『ビタミンC』が豊富

いちごには、もう一つ、抗酸化成分として有名なビタミンCが大量に含まれています。ビタミンCは、その強い抗酸化作用によって、LDL(低比重リポたんぱく)が活性酸素によって酸化されることを防いでくれます。LDLの酸化を防ぐことで、血管壁を傷つけたり、動脈硬化を引き起こすなどといった、血管疾患を予防すると言われています。(※参考:酸化LDL| e-ヘルスネット(厚生労働省)

また、ビタミンCは、体内の細胞と細胞をつなぐコラーゲンの合成に不可欠な成分です。不足すると壊血病を引き起こすため、毎食欠かさず補給していきたい栄養素です。(※参考:コラーゲン| e-ヘルスネット(厚生労働省)

いちごの特徴③ 血糖値の上昇を抑える食物繊維『ペクチン』が豊富

いちごの可食部100g中には食物繊維が1.4g含まれています。そのうち水溶性の食物繊維は0.5g、不溶性の食物繊維は0.9gです。この水溶性食物繊維の中でも特に注目したい成分が、ペクチンです。ペクチンは、果物の硬さやねっとり感(粘性)をもたらす重要な成分で、ジャムのとろみづけに欠かせないものです。いちごには、このペクチンがたっぷり含まれています。

ペクチンは、糖質の消化管での吸収を遅延させて、急激な血糖値の上昇を抑える作用があります。(※参考:果物 | e-ヘルスネット(厚生労働省))現在では、ほとんどの日本人にとって、不足している栄養素ですので、積極的に摂りたいですね。

いちごをお酢に漬ける相乗効果

前述のいちごの特徴を簡単にまとめると、ポリフェノール「アントシアニン」とビタミンCの抗酸化作用、水溶性食物繊維「ペクチン」の血糖値の急上昇防止効果だと言えます。これらの成分はお酢に漬け込むことで漬け液中に溶け出したり、お酢と一緒に摂取することができるようになります。

アントシアニン×お酢

アントシアニンは水溶性の色素成分です。お酢に漬けると、イチゴからお酢へ溶け出します。酸性下では、アントシアニンはより鮮やかな赤色になります。この美しい赤色をグラスにそそぐと、暑い夏でも食欲を刺激する酢ドリンクとなります。見た目は重要です。

ビタミンC×お酢

ビタミンCは、非常にデリケートな栄養素です。水溶性ビタミンで、茹でたり水に晒しておくとすぐに流出してしまいます。ビタミンCを効率よく摂取するためには、新鮮な野菜・果物を生のまま食べることがベストなのですが、生だと、食感や食味の都合上、たくさん食べるのは難しいという問題があります。

酢漬けにしておくと、漬け液中にビタミンCが溶け出します。お酢に溶け出したビタミンCをそのまま飲むことができるので、効率よく、定期的に摂取することができます。

ペクチン×お酢

いちごに含まれる食物繊維ペクチンは、漬け込んだいちごをアレンジして食べることで、丸ごと摂ることができます。果肉にはお酢がしっかり浸み込んでいて、果実酢液とはまた違った味わいを楽しむことができます。

他にも、いちごに含まれるカリウムなどの有効成分がお酢に溶け出されるなど、お酢によって、果物の有効成分を摂りやすくなります。加えて、お酢そのものの健康効果を同時に得られます。これがいちご酢のメリットです。

簡単!いちご酢の作り方

材料

  • イチゴ      6個〜7個程度(約100g)
  • 壺之酢(純米酢) 150cc
  • 氷砂糖(お好みで黒砂糖)100g

作り方

1. いちごをよく洗い、ヘタを取ります。
2. イチゴを半分ずつに切ります。
2. 容器をよく洗浄してください。
(熱湯消毒がお勧めです。)
3. 氷砂糖、イチゴ、壺之酢の順に入れます。
4. 軽くかき混ぜてください。
5. 常温で7日程度。氷砂糖が溶けたら出来上がりです。
(時々、容器をかき混ぜると氷砂糖が早く溶けます。)

飲みやすい!いちご酢のおすすめの飲み方

数日経つと、いちごの香りがぶわっと広がります。他の果実酢と比べてみても、この香りの高さが特徴的です。香りを活かしてスイーツづくりにも使えるのですが、今回は定番の酢ドリンクをご紹介します。

炭酸割り

ソーダ割りが一番美味しいです。グイグイ飲めてしまいます。いちごの香りは控えめ。爽やかで喉ごしが良く、暑い夏にピッタリのドリンクです。他の飲み方をいろいろ試したいのですが、ついつい炭酸で割ってしまいます。うまい。

牛乳割り

牛乳のたんぱく質カゼインとお酢が反応して、ドロッととろみのあるラッシードリンクになります。飲むヨーグルトのような感じです。色味のバランスが良いのと、いちごの香りを残したまま楽しめる点が魅力です。

いちご酢を漬けた後の果肉の使い道

いちご酢を漬けた後のいちごを取り出したら、余すところなく使いたいですね。

当たり前なのですが、赤色が抜けてしまって、力尽きたいちごになっています。すりつぶしてジャムにしたり、ヨーグルトに混ぜ合わせるというのが通説ですが、個人的にはあまりおすすめしません。酢が強くてかなり酸っぱいですし。

果実酢に氷砂糖を入れているので、果肉には甘味がしっかり浸み込んでいます。つまり、甘味と酸味は十分にあるということ。これをアレンジするなら、塩や醤油など塩分、オリーブオイルなどの油分を追加して調味料にするのがおすすめです。酢カドを取るようなイメージです。

オリーブオイルでいちごドレッシング

取り出したいちごを潰して、オリーブオイルと混ぜます。元のいちごの甘さや漬け込み時間によって味が変わるので、味見をしながら塩を少しずつ混ぜていきます。サラダや豚しゃぶの付け合わせにどうぞ。

意外なことに、子どもがパクパク食べてくれました。酸っぱさは残っていても、いちご味が勝ったようです。

バニラアイスにトッピング

上のいちごドレッシングを家族に提供したところ、アイスクリームに載せたいという声が上がりました。いちごの香りが強いので、甘いものにも合わせられます。

中野 貴之

中野 貴之

酢醸造家/(株)とば屋酢店 第13代目

「お酢のことならなんでもご相談ください」がモットー。お客様に「また使いたいと思っていただけるお酢」をお届けできるよう社員と力を合わせて精進中。セミナー講師も時々お引き受けします。

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